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子供さんの矯正相談

子供さんの矯正相談

いつから?(矯正治療の開始時期は?)

日米の矯正歯科学会は7歳までを推奨

 
―アメリカ矯正歯科医会、日本矯正歯科学会は、7才までには専門の矯正医に
      診てもらうべきだと勧めています―
 永久歯がまだ生えかけの7-8歳頃から観察し、必要な早期治療を行うことが大切です。これにより以下のようなことが期待できます。
 
子供さんの矯正治療の意義                 
-永久歯を並べる時に、歯を抜かなくて済むようにスペースを確保する(非抜歯治療)。
 
-出っ歯や受け口の骨格がある場合には、上あごを横に広げるなどの顎整形治療で、鼻呼吸を促し口の悪い癖も除いて、上下のあごの成長をバランス良くコントロールしてつり合のとれた好ましい顔立ちにする。

-下あごが咬んでいく際ぶつかる歯があるために、ずれた方向に誘導されて成長するのを防ぐ
-でこぼこや出っ歯を治すことは、歯ブラシをしやすくして虫歯を作りにくくするとともに、子供さんのコンプレックスを除いて健全な精神的発育を助ける。
 
 早期治療ができなかったために、問題が複雑になり治療が難しくなることもあります。「出っ歯や受け口でも乳歯がある間はまだ早い」とお考えのお母さん、それは違います。早期治療により、歯を抜くことなく、“すっとした”知的な横顔にすることは、お子さんに大きな財産となることでしょう。また、矯正治療は、将来においても、歯周病の予防や審美性が社会的に意義をもつことにもつながるとも言えます。
 

 
 
いつから?(矯正治療はいつ開始したらいいですか?)

必要な治療を適切なタイミングで

 
 症状によって大きく変わりますし、治療自体は、もっと早いほうがよかったが、実際に来られたのが遅ければ、その時点からできることをします。
 症状や希望協力していただける程度により、どこまで治せるかは全く違います。
 
 しかしながら、小さいお子様の骨は、皆さんが一般的に想像している骨と筋肉(たとえば舌は筋肉の塊です)の中間くらいの硬さのイメージのものです。   
 ですから歯が動きやすかったり、大きく広げたり骨と骨の継ぎ目が十分に引っ付いていないので、年齢により改善できる量が変わってきます。よく皆さんにお答えするのは、6歳と8歳では、違います。また、8歳と10歳、10歳と12歳、12歳と15歳、15歳と20歳でもそれぞれ、本当に改善できる量は違います。臨床医として治療していてよく痛感します。
 

どうして?(必要な治療のタイミングで)

子供さんの色々なストレスと並行しての治療になるから

 
    近年のとても流れの速いストレスフルな社会では、大人はもちろんですが、お子様も、厳しい受験や、クラブ活動や友達づきあい、また、反抗期に治療が重なるなどそのお子様ごとに矯正治療だけに集中できない理由があるんだということを私たちも経験してきました。
治療に必要な装置の負担とかはわかりますが、そのお子さん自身にとっては、矯正治療がどの程度のストレスになるかは、経験から何となくの感触はつかめても一度のカウンセリングで正しく言い当てることは到底できません。
 
 少しやってみて、お子さんの反応を見て、治療法を変えることも現実的かもしれません。
 日ごろのストレスに矯正治療のストレスが乗った時に限界(閾値)を超えるかどうかを、お母さま方に判断してもらえるように説明小見出し <h4>したいと思います。
 
 
受験や塾について 
 昨今の受験のための勉強は、難関校であれば、恐ろしいほどの内容だと感じることがありますね。また、患者さんによって受験に対する価値観がとても大きくて、相談に来ていただいても、矯正を控えたほうがいいと思うことすらあります。
 
 小学校受験については、本クリニックの早期治療は、基本的に、早い方でも小学校1年生の落ち着いた夏休み頃を目安に始めているため、基本的に問題はないと思います。
 
 また、中学校受験については、小学校低学年で早期治療終了後、中学校受験後の12歳臼歯が生えたころを目安として、いわゆる矯正装置(ブレース・エッジワイズ装置)をつけていますので、小学校高学年はとても簡単な装置だけで、半年おき位に観察するだけですから、受験に集中できると思います。
 ただし、困るのは、症状がきついのに放置されていて、小学校の5年生や6年生の初めに厳しい受験が迫った状態で来られた時です。症状が軽度であれば、受験後でもいいのですが、重篤で治療だけを考えればするべきなのに、この時には、始めるべきなのかどうか答えに窮することがあります。説明はしますが、ここは個人の価値観になると思います。
また、高校や大学の受験になってくると、受験がとても心労になるのであれば、よほど症状がきつい時以外は、受験終了後に治療を開始することをお勧めすることが、本クリニックでは、多いと思います。


 
クラブ活動やアルバイトについて
 中学生や高校生では、クラブ活動をとても一生懸命されている方では問題になることがあります。

 学校によってもだいぶ違うようですが、特に、バスケットやサッカーなどのグループ競技は休めないとかありますね。

    また、高校生や大学生では、アルバイトとの両立が問題になることもあります。
 答えは、時間的に、また負担を考えてご本人の意欲が両方をこなすことができるかどうかだと思います。
 こちらでも、予約時間や装置などについて、できる配慮はしますが、きれいに治していくには、どうしても譲れないこともあります。
 そのように説明しても、あまり真剣に受け止めていただけなかったり、とても重篤な症状なのに、装置の協力が得られなかったり、 または、ある程度の時間的配慮をしていただけないと、どうしても両立できないことになります。
  そのような場合には、矯正治療によって得られる恩恵を客観的に説明はいたしますが、クラブ活動やアルバイトを優先するか、矯正治療をとるか、ご自身の価値観で選択せざるを得ないこともあると思います。
 
反抗期について
   矯正治療をされるお子様は、ちょうど多感な思春期となり、反抗期かなと思われる時期と重なることがあります。
矯正治療がお子様の健全な成長発育を妨げるものになっては当然いけません。

 
 ご両親の思いだけで、治療を進めると問題になることもあります。
 矯正治療をお受けになる年齢層の方の、考え方も多様化しながら、どんどん変わってきていると感じます。何が正解かわからないようなケースも当然あります。

 ですから、受験や塾、クラブ活動の項でもお話ししたように、今、矯正治療することの必要性をよく理解していただいた上で、ご両親とお子様がよく話し合って頂きたいと思います。
 

 

子供さんの相談の例

口呼吸の早期治療 知的な横顔に 

  口呼吸傾向があり、早期治療を行うのが良いと思います。
 ハイラックスという装置で左右の上顎を広げていく早期治療は、顔立ちや歯並び、ひいては健康にも影響する呼吸の問題にアプローチする根本療法です。上あごの突出感を改善しながら、歯の並ぶスペースもでき、大きな効果が期待できると思います。
 従来の方法に比べて、より一層歯が並ぶスペースが増えて、抜かない可能性が高くなるとも思います。
   早期治療の適切な時期としては、この方のように、乳歯の歯根が残っていて、左右の上のあごの縫合(引っ付いているところ)が緩い7~8歳頃が最適です。

早期治療は1年9か月、その後、観察期間を経て、エッジワイズ装置で1年3か月の永久歯治療を行いました。
 
治療費 約90万円 (税別)
 
 

         
   

子供の抜かない裏側矯正 1 

 一般的な矯正装置であるクォードへリックス装置とリップバンパー装置で、上の6歳臼歯に力をかけて、歯列と歯槽骨を拡げるとともに、後方に移動します。さらに、クォードへリックス装置により、6歳臼歯を内側の大きな歯根を中心に後ろ周りに回転することでも、歯列弓が、広く長くなりますので、歯を並べる空間を獲得でき、通常なら入りきらない歯が並びきって、非抜歯治療ということになります。

約2年1か月で、上歯列は、裏側矯正で治しました。
治療費 約110万円(税別)
 
 

   

子供の抜かない裏側矯正 2
 
   思春期のお子様は表側の装置がお友だちに見えることに抵抗があるようです。裏側装置は外から見えないというメリットのほかに、唾液に触れやすい裏側にあることで虫歯になりにくくなっています。また、クラブ活動等でスポーツをしているお子様でも、万一口元に衝撃を受けても装置で唇を切ることもありませんし、吹奏楽部で楽器を前歯に接触させて演奏される方も装置を気にすることも必要もありません。
 当院でも、裏側矯正を希望されるお子様が増えてまいりました。
 
  この方は、歯列にガタガタで、特に上の八重歯があり、見た目や歯ブラシのしにくさを改善したいとのことで相談に来られました。
 口元がきれいであり、年齢的にも骨もやわらかく、ご自身のモチベーションも高く協力も得られるということででておらず、抜歯をしない治療を提案、ご自身の希望があって、裏側矯正を選択されました。お友達が気づかないうち、装置装着後2年で綺麗な歯列になりました。
当院の場合、長年の経験により、表側の装置と同様の結果を得ることができます。

治療費 約110万円(税別)
 

 
 

埋伏歯の裏側矯正

  この方は、左上の1番目の前歯が歯槽骨の中に埋まっており、また、左上の3番目の歯も並ぶ場所がないことを心配して相談に来られました。
 それでも、きちんと並べていけることを説明しました。このような場合は、提携のある口腔外科に依頼して、骨を割って左上1番目の歯を見える状態にしてもらい、矯正治療で引き出していきますと説明。特に裏側からの矯正では難しいのですが、力学的に十分考察して引き出してくることができ、結果としてどの歯も抜くことなしに治療することができました。

治療費 約140万円(税別)
希な場合になりますが、埋伏歯が骨と癒着している時には、引き出せない場合があります。
 

 
 

前歯の複雑な埋伏の例

 左上の前から3本が順番通りにではなく埋まってしまって萌えることができません。左右の2番目の歯を抜いて、左右ともに1,3を引き出してきて、左右対称に並べることにより、より良い口元を得ることができました。

 骨と癒着している時には、歯を引き出せないまれなケースがあります。埋まり方によって、歯ができるだけきれいに見えるように考えて並べます。
治療費 約120万円(税別)